スティーブ・ライヒは、フィリップ・グラスPhilip Glassやテリー・ライリーTerry Rileyと同様に「ミニマル音楽」の巨匠として知られる。ミニマル音楽とは、一定フレーズを繰り返す「現代音楽」で、いわゆるプログレッシブ・ロックやポピュラー・ミュージックでも取り上げられることが多い。ライヒのミニマルはマリンバ、ピアノ、パーカッションなど打楽器系のパーカッシブなサウンドで、ストリングスや合唱隊も加わり、リリカルで牧歌的な雰囲気を持っている。意外に親しみやすいサウンドで、TVコマーシャルのBGMなどで使われることも多い。ミニマル代表作は「Music for 18 musicians」「Music for large ensemble」「Drumming」など。一方、1980年代以降の作品は、テキストのような不規則な変化を持つ作品や、明確な曲構成を持つ作品など、バリエーションが広い。1990年代後半になると、人力テクノを意識した、初期ミニマル作品の新録音CDが相次いでリリースされる。ライヒ自身、テクノ好きなんでしょうね。
スティーブ・ライヒのディスコグラフィーについて、筆者は十分に把握していないので、所有しているアイテムや、聴いたことがある作品をピックアップして紹介いたします。まことに勝手ながら、簡易形式で紹介させていただきます。
| Music for 18 musicians (1978) | |
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「18人の音楽家ための音楽」は1974がら1976にかけて作曲された、1時間近いノンストップ・ミニマルである。牧歌的な反復フレーズが変化しながら、重なり合いながら、少しづつ曲想を変えていく。一応パート分けされており「Pulse - Sections I-X - Pulse」となっているが、トラック分けは無し。パートの変わり目に、ビブラホンで短いテーマが演奏される。ライヒの代表作。 (ECM 1129 821 417-2) |
| Music for 18 musicians (new recording) (1997) | |
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「18人の音楽家ための音楽」再レコーディング版。1996年10月録音。演奏時間が10分延びたが、セクション毎にトラック分けされた。音質は、よりシャープに、パーカッシブになっている。アンビエント的に流すなら、ソフトな音の従来版が向いているかもしれない。新レコーディング版は本作以外に、もう一つリリースされているが、未入手。 (Nonesuch 7559-79448-2) |
| Music for large ensemble / Violin phase / Octet (1980) | |
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1978作曲の「大アンサンブルのための音楽」、1967作曲の「ヴァイオリン・フェイズ」、1979作曲の「八重奏曲」のカップリング。各曲15分〜17分と手頃な長さ。「大アンサンブル..」と「八重奏曲」は「18人の音楽家ための音楽」の手法を踏襲し、更なる高みに引き上げた傑作。ミニマルながら、非常に美しいメロディを楽しめる。MAGMAの「M.D.K.」の後半部分を連想する曲である。「ヴァイオリン・フェイズ」は初期ナンバーで、周期の異なるリフ(延々、同リフの繰り返し)を重ね合わせ、音のずれ具合や重なり具合を楽しむ作品。若干のヴァイオリン・フレーズも追加されている。 (ECM 1168 827 287-2) |
| Drumming / 6 pianos / Music for Mallet ... (1974) | |
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4パートから成る大作ノンストップ・ミニマル「Drumming」。85分近い演奏時間ゆえ、CD1枚に収まりきらず、2枚にまたがって収録されているのが、あまりに残念。残る「6台のピアノ」「打楽器、オルガン、声のための音楽」は牧歌的ミニマルで、「18人の音楽家ための音楽」の前身と言える。内省的な美しい作品。全て1971-1973作曲。 (GRAMMOPHON 427 428-2) |
| Drumming (new recording) | |
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再レコーディング版。4パートから成るノンストップ・ミニマルで、アップテンポな演奏が続く。Part1が太鼓、Part2がマリンバ、Part3がグロッケンシュピル、Part4が全体合奏となる。ライヒの作品においても非常にテクニカルで、緊張感みなぎる作品だ。せっかくCD1枚に収まったのに、演奏時間が55分と大幅に短縮されたのが残念(十分長いか;)。 (Nonesuch WPCS-5054) |
| Early Works (1965-1972 / 1987) | |
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いわゆる初期作品集。「Come out」「Piano Phase」「Clapping Music」「It's Gonna Rain」を収録。「Come out」と「It's Gonna Rain」は以下の台詞の録音テープをループさせ、テープ速度をずらした音をミックスして、音の重なり具合や響き具合を楽しむ作品。後年、Orbitalに真似られた。 「Piano Phase」はピアノ・ミニマルを、ずらしながら重ねていく作品。楽器演奏ながら「Come out」と同様の手法。「Clapping Music」は手拍子だけの曲。 (Nonesuch WPCS-5052) |
| Tehillim | |
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リズミカルなパーカッション群に乗せて、旧約聖書のヘブライ語テキストを、女声コーラスが歌う。基本的にリフレインだが、テキスト依存の変拍子が目立ち、従来のミニマルとは一味も二味も異なる作品。今後のライヒの作品の、転機になった曲である。1981年10月録音。フルアルバムだが30分に満たない。Nonesuchレーベルから、別録音版がリリースされているが、未聴。 (ECM) |
| Differnt trains / Electric counterpoint | |
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(Nonesuch 9 79176-2) |
| The Desert Music | |
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従来のミニマル手法を継承する作品だが、急・中・緩・中・緩・中・急の楽章で構成される。編成もアンサンブルに加えてストリングス隊、コーラス隊と豪華版で、歌詞もある。「急」の楽章は「18人の音楽家ための音楽」の編曲で、TVCFでも使われた。中間部の、ゆったりと展開する楽章は、不協和音をたっぷり使って、緊張感が高い。 (Nonesuch) |
| Sxtet | |
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タイトル曲は「The Desert Music」のアンサンブル編曲バージョン。急・中・緩・中・急と、若干シンプルな構成になった。マリンバ主体の、パーカッシブ系。カップリングの「6マリンバ」は「6台のピアノ」をマリンバで演奏したもの。 (Nonesuch WPCS-5055) |
| The Four Sections | |
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「The Desert Music」の応用作品で、緩・中・急と展開する約26分。各4楽章で楽器編成が異なり、最初は11分の緩慢なストリングス・ミニマル。続いてパーカッション系、ブラス系と続いて、最後は全体編成で加速。ダイナミックな展開で、やはりシンフォ・ファンにもお薦め。カップリングの「打楽器、オルガン、声のための音楽」は名作ミニマルで、珠玉のテイク。 (Nonesuch) |
| The Cave 2CD | |
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街頭インタビューを、そのまま音楽化した作品。テキストの朗読と、朗読を追うように加わる合唱隊、という形のアンサンブル。ミニマルではなくて、不規則な変化が淡々と続く。「Typing Music」と呼ばれるセクションは、「Eary Works」収録の「Clapping Music」(手拍子だけの演奏)に、タイプライタ音のサンプリングやパーカッションを加えたような作品。インタビューで収集した記事を編集する、という意味らしい。 詳細は、こちら。 |
| City Life / proverb (1995) | |
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1994-95年作曲による、ホットな作品。'70年代のようなミニマル作品とは一味異なるが、リフの組み合わせによる手法は一貫している。 Proverbは、女性ボイスとリフレインを組み合わせた、聖歌のような作品。 Nagoya Marimbaは、タイトル通りマリンバのリフで構成される、短編ミニマル。 City Lifeはサンプリングを多用した、シンフォ系?「Come out」のような言葉の断片、不規則なミニマルなど。レビュー予定。 (Nonesuch 7559-79430-2) |
| Reich Remixed | |
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ケン・イシイなどテクノ系アーティストによるリミックス集。本作ではライヒ自身が監修し、納得行くまで吟味したといわれるだけに、エポックメイキングなトラックが揃っている。 (Nonesuch 79552-2) |
| Pendulum (2000) | |
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こちらも初期作品だが、新録音。「振り子の音楽」「4 organs」「Piano Phase」など。レビュー予定。 (Nonesuch) |
| Bang on a can | |
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「New York Counterpoint」「Eight Lines (AKA Octet)」「4 organs」新録音。レビュー予定。 (Nonesuch) |
| Triple Quartet | |
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「Vermont Counterpoint」「大アンサンブルのための音楽」「Electric Guitar Phase (バイオリン・フェイズを、ディストーション・ギターで演奏したもの)」新録音。レビュー予定。 (Nonesuch) |