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Recorded: March/June 1975, Berlin リヒャルト・ワグナーに捧げられたシュルツェの5作目は、全作品の中でも「最高峰」というべき傑作。 シュルツェを聴くなら、絶対に押さえておきたい作品です。 本作ではドラムス、パーカッションは使用されず、ゲストミュージシャンの参加も無しで、 ご本人のシンセサイザによる緻密な多重録音になっています。 従来作に比べても、格段にクリアなサウンドを聴くことができます。 曲名は、ワグナーに因んだもの。Wahnfried はワグナーの旧邸。Bayreuth はWahnfriedの所在地(ドイツの小都市でバイロイト音楽祭が有名)。1883年は、ワグナーの没年。 それでは聴いてみよう。 風切り音のような硬質のノイズで、30分を超す「Bayreuth Return」が始まる。 荘厳なシンセ音に独特の変調音が加わる。 この変調音は、その日の体調によって心地よく響いたり、少々うるさかったりするので、好みの分かれるところかもしれない。 そして、多数のシーケンス・フレーズが絡み合いながら進行する。 ノンビートであるにもかかわらず、ものすごいスピード感だ。 時には激しく脈打ち、時には流れるような美しさで、時が経つのを忘れてしまう。 大詰めになってシーケンスのパターンが変わり、より激しく扇情的になったところで、強烈なノイズにかき消されるように終了する。 2曲目の「Wahnfried 1883」はノンビートのストリングス・シンセ隊と電子音群で構成される、戦慄のナンバー。 夕日に染まる廃虚のような、退廃的なイメージだ。 延々引っ張って、強迫的に盛り上げて、カットアウトするように効果音の嵐にかき消され、崩れ落ちるように終わる。 シュルツェは後年、Richard Wahnfried 名義の作品をリリースしている。 ただし作風は軽いテクノ調で、趣が異なっている。 Revisited版ボーナストラックは2枚目に収録され、56分30秒に及びます。 最初38分のEchoes Of Timeは、まるで次回作MirageのVelvet Voyageメイキングのようです。 うつろな電子音にCrystal Lakeを思わせるシーケンスが現れて、これはMirageのデモと確信しますが、 少しづつ様子が変わっていきます。 気がつくとBayreuth Returnのイントロが流れており、公式版では省略された「8分の導入部」であったことが分かります。 以降は正規リリース版に沿った展開になりますが、特有の風切り音は聞こえてきません。 エンディングが近づくと、例の「最終局面」が楽しみで、ワクワクしてきますが、最後のシンセフレーズが鳴った後にフェイドアウトし始めて、まさに爆発的な風音が鳴るであろう瞬間に途絶えてしまう。 思い切り肩透かしをくらって、ガッカリ感は避けられません。 音質面は、デモテープゆえの僅かな劣化箇所がありますが、及第点と思います。 Solar WindもBayreuth Returnのデモのようですが、シーケンスは加わらず、別の曲に展開していくようです。 退廃的に淡々と進んでいきますが、途中で切られているような中途半端な終わり方。 ヒスノイズが目立ち、音ブレもありますが、デモ録音なので仕方ないのでしょうか。 Windy TimesはBayreuth Returnのシーケンスを使用した短編(2000年録音)。 かっちりと構成されたフレーズが、テクノを感じさせます。 Revisited版の本編は未聴。 eMusic配信で入手。 |
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裏表紙(Wahnfriedの図形楽譜) |
見開き(Brain版では省略) |
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Cover by Urs Amman |