
カンは1968/7/19に結成、オリジナル・メンバーは、ホルガー・シューカイ、ミヒャエル・カローリ、ヤキ・リーベツァイト、イルミン・シュミット、デヴィッド・ジョンソン(ヴァイオリン)の5人。カンの名前の由来は出来るという意味のほかに、馬鹿、尻、刑務所などのスラングを含み、各々が学習の中から得たものを缶の中に投げ込むという意味をこめてつけられた。後年、イルミン・シュミットはCommunism、Anarehizm、Nihilismの頭文字を並べたものであると語っている。
ファーストアルバムのレコーディング直前にデヴィッド・ジョンソン脱退、黒人ボーカリストのマルコム・ムーニーを加えて制作されたのが、このMonster Movieである。当時、レコード会社との契約が出来ず、600枚限定の自費製作盤としてリリースされ、後にUAから再発売された。現在では、SpoonレーベルのCD盤が、Mute Recordsから入手できる。
(レビュー作成にあたって「Cannibalism 1」高橋直己氏の解説文を参照しました。)
リリースされた1969年は、Tangerine Dream、Kraftwerk、NEU!、Cluster(Kluster)などの名義によるアルバムが発表されていない時代であり、このMonster Movieはジャーマンプログレの源流ともいうべき重要な作品です。 サウンドは反復ビートを主体としたグルーヴ感、トランス感を重視したもので、まさにジャーマンプログレ的なものであり、ブリティッシュ系などのシンフォニック・ロックとは全く異なります。また、初期のAsh Ra TempelやTangerine Dreamのようなフリーなインプロビゼーションとも一線を画しています。また、シンセサイザを使用していないであろう電子音(アルファ77と呼ぶ自作楽器らしい)や、分厚いエレクトリックギター音など特徴的な音響効果を、この段階から聞くことが出来ます。
Holger Czukay : bass
Michael Karoli : guitar
Jaki Liebezeit : drums
Malcolm Mooney : vocals
Irmin Schmidt : keybords
recorded at Schloß Nörvenich 1968/1969
engineering and editing by Holger Czukay
| Track | Time | Title |
|---|---|---|
| 1 | 7:01 | Father cannot yell |
| 2 | 6:16 | Mary, Mary so contrary |
| 3 | 4:11 | Outside my door |
| 4 | 20:19 | Yoo Doo Right |
| Total | 37:49 |
録音が古いのは仕方が無いが、各パートの音がしっかり分離されており、聴きやすい音質です。特に、Yoo Doo Rightはクオリティが高く、ぜひ高級なオーディオ装置で聴きたくなります。
初回盤のオリジナル・ジャケットは「白地の真ん中に赤くヨーロッパの壁画のようなものがプリントされてます。古い映画のタイトルのような白い立体文字で左上にMONSTER MOVIE 右下にTHE CANとなっております。」との情報ですが、筆者は見たことがありません。現在入手できるCDのモビルスーツ・ジャケット(これはこれで印象的なアートと思う)は、リイシュー版。以下、Spoon盤の見開き写真。